所得の格差が激しいと言われる韓国社会。
実際にお金持ちと経済的に恵まれない家庭の格差をテーマにした韓国ドラマが数多くあり、どれも多くの人から共感を呼び大ヒットしています。
でも実際に韓国旅行へ行くだけでは、あまりその差を感じられないかもしれませんね。
韓国のお金持ちはいったいどこに住んでいるのでしょうか?
そこで今回は韓国の裕福層が住んでいる地域を、その特徴とともにまとめました。
江南カンナムエリア
2012年に韓国の歌手PSYがリリースした「江南スタイル」は世界的に大流行し、歌だけでなく「江南(カンナム)」という地名も認知度が上がりました。
実はこの江南、韓国では特にお金持ちが集まる場所として知られています。
高級車や高級ブランドの韓国国内売上のほとんどがこの江南地域が占めているとか。
ところでこの江南という言葉は、韓国では主に二通りの意味で使われます。
まず韓国ソウルの中心部には大きな川、漢江(ハンガン)が東西に流れていますが、この川より南側を江南(カンナム)、北側を江北(カンブク)と呼んで区別する場合。
そしてもう一つは、漢江の南側の中でも特にお金持ちが集まる江南区(カンナムク)を指す場合です。
このように一口で江南と言ってもいろいろな地域を指しますが、特に江南区には裕福層が暮らすことで有名な洞(ドン)がいくつかあります。
洞とは日本の「~町」に当たる行政区域の呼び名です。
清潭洞チョンダムドン/新沙洞シンサドン/狎鴎亭洞アックジョンドン
韓国ドラマにも地名として出てくる清潭洞(チョンダムドン)を含め隣接する三つの地域。
高級ブランドショップが立ち並び、芸能人御用達の高級サロンやファッションブランドが集まる憧れのセレブ街です。
だからといって近寄りがたい雰囲気ではなく、おしゃれでラグジュアリーなレストランやカフェ、デパートなどもあることから日本人観光客もよく訪れる場所。
ソウルの中でも最も高い地価を誇るこのエリアに住んでいる人はまさに韓国のトップ富裕層!
街中では高級感あふれる身なりのマダムや愛犬を連れた若奥様らしき人の姿を見かけることがあります。
道谷洞ドゴッドン/大峙洞デチドン
2018年に放送されたドラマ「SKYキャッスル」はまさに格差社会と受験戦争をテーマにした内容で、最高視聴率23.8%を記録するほど空前の大ヒットとなりました。
このドラマの様子をよく表しているのが、江南区の中でも南側に位置する道谷洞(ドゴッドン)や大峙洞(デチドン)と呼ばれる地域。
もともとこの地域は代々暮らしてきた富裕層が多く、子どもたちを一流名門大学へ入学させるべく教育熱心な保護者が多いことで知られています。
毎日マイカーで通学し、学校と塾を往復する子どもたち。
夜になると有名学習塾の周辺には子どもを迎えに来た高級車がずらっと並びます。
この地域に住まなければ一流名門大学へ入学できないと言われるほど。
駅三洞ヨクサムドン/論峴洞ノンヒョンドン/瑞草洞ソチョドン
ソウル地下鉄2号線江南駅を中心とするこの地域は、多くの会社や飲食店、ブランドショップが立ち並ぶオフィス繁華街。
その一本裏道に入ると、大通りの喧騒からは想像できない高級マンション群が現れます。
江南駅周辺は若者や社会人を中心に多くの人が集まる地域であるからこそ地価が非常に高く、お金持ちの象徴とも言えるエリアです。
蚕室洞チャムシルドン
江南区の隣、松坡(ソンパ)区の蚕室洞(チャムシルドン)には、ロッテワールドやオリンピック競技場、蚕室野球場などがあることで有名なエリア。
2017年には韓国で最も高いロッテワールドタワーが完成し、ますます注目されています。
アクセスが良く漢江が望めるということもあり、やはり富裕層には人気の蚕室洞。
特にこのエリアの夜景はお金持ちの特権です。
盤浦洞バンポドン
江南区のお隣、瑞草(ソチョ)区に位置する盤浦洞(バンポドン)は、高級高層マンションが立ち並ぶ地域。
他のエリアに比べて漢江に隣接しており、特に若い世代の富裕層が多く住んでいます。
韓国でも有名なブランドの高級マンションからは高級車が出入りし、学校に通学する生徒たちはお坊ちゃんやお嬢様が多い印象。
ソウルの景色を一望できる盤浦洞は、まさに有数の高級住宅地です。
江北カンブッエリア
韓国のお金持ちと言えば江南が有名ですが、実は1970年代に都市開発されるまではただの広い農地でした。
それに比べて漢江より北側の江北(カンブッ)エリアは、歴史を支えてきたまさにソウルの中心。
街のあちこちにその名残が見られます。
朝鮮時代には、ソウルの都城を囲うように東西南北4つの門が建造されました。
現在は観光客もよく訪れる崇禮門(南大門)と興仁門(東大門)のみ残っていますが、もともとこの四大門より内側に暮らしていた人々は身分が高かったそう。
このような歴史的背景からも分かるように、江北は昔から住んでいる富裕層が多い地域です。
漢南洞ハンナムドン
龍山区の漢南洞(ハンナムドン)は、江北エリア有数のお金持ちが暮らす地域として知られています。
特に大物俳優や歌手、大企業のオーナー一家が住む高級ビラやマンションなどが数多く集中。
最近では、俳優ソジソプさんが漢南洞に住宅を購入したというニュースが話題になりました。
漢南洞のすぐ隣には異国の雰囲気を味わえる梨泰院(イテウォン)が位置していることから、おしゃれなレストランやカフェがたくさん並んでいます。
城北洞ソンブッドン
ソウルの中心部から北側に位置する城北洞(ソンブッドン)は、財閥やその子息、会長や役員などの富裕層が暮らす地域。
他のエリアに比べて年齢層がやや高く、代々続くお金持ちの企業家が多いという特徴があります。
江南エリアのように新しい高級マンションではなく、高い塀に囲まれた大きな一戸建てが立ち並んでいます。
数台の車を停められる広い駐車場に、手入れの行き届いた庭園。
まさに韓国ドラマに出てくるようなお金持ちの高級住宅街ばかりです。
交通の便がやや悪い地域ですが、もちろん専属ドライバー付きの高級車が行き交います。
平倉洞ピョンチャンドン
鍾路区にある平倉洞(ピョンチャンドン)は、昔からのお金持ちが住んでいる地域。
ソウル中心部から離れた北の山沿いに位置する高級住宅街で、おしゃれで大きな別荘のような一戸建てが立ち並んでいます。
テレビで取り上げられることもあり、電車やバスなどではアクセスが不便な地域ですが、ドライブで訪れたい場所として話題を集めています。
二村洞イチョンドン
龍山区の二村洞(イチョンドン)は日本人の駐在員やその家族が住んでいることで有名な地域ですが、実は韓国の富裕層も暮らしています。
現役の企業家や有名人ではなく、引退した富裕層がここで静かに平凡な暮らしを送っているのだとか。
見た目はそうではないのに実はお金持ちだった!という隠れ富裕層が多いのが特徴。
二村は日本の食品を扱うお店や日本人の集会などがあり、ソウルの中では最も日本と関わりのある地域です。
聖水洞ソンスドン
古くから代々に渡って暮らす富裕層の多い江北エリアですが、その中でも聖水洞(ソンスドン)は最近注目されているお金持ち地域。
江南へのアクセスが良いことから、年々超高層マンションが増えてきています。
俳優のキムスヒョンさんや大人気グループBIGBANGのG-DRAGONさんもこの地域に住んでいるとか。
多くの芸能人から人気を集める聖水洞は、まさに次世代富裕層の中心地と言えそうです。
最後に
有数のお金持ちエリアが点在している韓国ソウル。
韓国の富裕層の暮らしぶりに注目してみると、今の韓国社会をより肌で感じることができるはずです。
あまり観光客は行く機会がないかもしれませんが、これらの地域ではまさに韓国ドラマの一面のような風景を目の当たりにするかもしれませんね!