韓国の芸能人って男性は180cm以上は当たり前、女性も170cm以上がたくさんいて、160cm台だと小柄というイメージがあります。
一般人も長身の人が多く、日本人に比べて全体的に高身長であると言えます。
「アジア人は背が高くないイメージがあったけど、韓国に来てみたらみんな背が高くて驚いた」
という欧米人の話もよくききます。
日本人との差は民族的な遺伝のためでしょうか?
日韓の平均身長をみてみましょう。
男性 | 女性 | |
韓国 | 174.9cm | 162.3cm |
日本 | 172.2cm | 157.9cm |
韓国データhttp:/m.news.naver.comより
日本データ平成27年度学校保健統計調査 より
2016年7月、韓国女性の平均身長が過去100年の間に20.1cm伸びて162.3cmになり、世界200カ国中もっとも高い伸び率を示した、男性も159.8cmから174.9cmと15.1cmも伸びた、とニュースになりました。
現在、日本人と比べると韓国人は平均して3~4cmほど高いということになります。
この差は遺伝でしょうか?
これと同じニュースで北朝鮮の男性は172cm、女性は159cmと報道されました。
北朝鮮の平均身長に関しては韓国サイトでも男性は158cmだとか165cmだとか情報がさまざまではっきりしません。
確かな値がわからないため、北朝鮮と比較し、遺伝的な観点から調べることができませんでした。
そのため韓国人の生活から高身長の理由を考察します。
韓国人の背が高いのはなぜ?
学校の授業参観に行くと170cm台のお母さんがゴロゴロいますし、子供も大きい子が多いです。
韓国で生活していてもやっぱり韓国人は背が高いなと思いますが、反対に韓国人から見ても日本人は背が低いという印象があるようです。
「日本に行ったらメンズに165cm~というコーナーがあって驚いた」
「日本人女性はやせていて小柄なので大人か子供かわからなかった」
という話はよく聞きますし、韓国のネットでもなぜ日本人は小柄?という声が多数みられます。
その理由について
- 遺伝的な違い
- 韓国は肉食文化である
- 日本人はアジアでは小さいほうではない。韓国人が大きいだけだ。
という風に一般的に言われています。
在日韓国人である和田アキ子さんは1950年生まれで2024年の今年74歳になります。
この世代の方が174cmもあるというのはやはり遺伝的な要素も否定できないでしょう。
背が低い子にはホルモン注射をする、という話も聞きます。
それも確かにありますが、一般的な韓国人の生活から高身長になる要素を見つけようと思います。
食生活の違い
やはり肉食であることも含め、後天的要素で言えば食生活の違いが大きいと思います。
韓国人の育児の仕方から食生活を見ていきましょう。
【赤ちゃん時代】
母乳が出ていてもミルク育児が一般的です。母親は働いておばあちゃんに預けることが多いので、ミルクでないと育てられませんし、母乳がいいという認識もあまりありません。
予防接種などで保健所に行き、低体重だとわかるとすぐに「食欲増進」効果があると書いてある栄養剤が無料で支給されます。
低体重でなくてもミルクに栄養剤を混ぜることもよくあります。
【幼児期】
・親が食べさせる
自分で食べられる月齢になっても親が食べさせて、どんどん口に入れていきます。
お行儀を度外視し、口さえあければ親がスプーンで食べ物を運んでくれるので、子供は遊びながら、時に食事中でもふらふら歩き回ったりしています。
親はスプーンを持って子供を追いかけて食べさせます。
「たくさん食べる」ことに重点を置いているので食事のマナーは今は教える時期ではないと考えているのかもしれません。
・空腹を我慢させない
少しでもお腹がすいたといえば食事前でも簡単に食べられるお菓子や果物などを与え、空腹を我慢させません。
・たくさん食べる子はエライ
たくさん食べることはいいこと、エライことと教えます。
そのため褒められようと子供もたくさん食べるようになります。
誰が一番たくさん食べたかを競わせ、おりこうさんは背が伸びる、などといって
「たくさん食べることや背が高いことは”善”」
だと日常的に反復します。
・食べたらご褒美
あまり食欲がない、お菓子の食べすぎで空腹でない、嫌いなおかずが出た、など子供が食べないときは「全部食べたらアイスクリームあげるから」などと物で釣って食べさせます。
「お願いだから全部食べて」とお母さんが懇願する姿は時にみっともなくみえることも。
食べたくなければ食べるな!というしつけをする親はとても珍しいでしょう。
一食抜いたら生死にかかわるとでも思っているのかというくらい、親が必死で食べさせます。
【小学生~】
驚くことに小学校高学年になってもまだ親がスプーンで口に運ぶことがしばしばあります。
自分で食べているのにさらに親が横から口に入れる。
このころから、たくさん食べ続けた結果として驚異的な消化力が身につき、たくさん食べたのに、少ししたらすぐお腹がすくようになります。
小・中学校の周りにはトッポキやラーメン・海苔巻きなどの軽食屋が必ずあり、下校時間には子供が群がります。
塾の前に何でも好きなものを食べられるようにお小遣いに制限もありません。
小学生も学校に財布を持っていくのは当たり前で、下校中に友達と何か買って食べるようになります。
日本と韓国の両方の小学校に通った経験のある娘は、
「韓国では山盛りくれるけど、日本の給食は少ないからすぐお腹がすく」
といいます。
学校でもかなりの量を与えてくれるようです。
小学生時代からトッポキやピザ、ラーメンが間食になります。
在韓日本人の間でも「韓国の子はなぜデカイんだろう?」ということがたびたび話題になりますが、そのたびに「よく食べるからだろう」という結論に至ります。
育児は「たくさん食べさせること」に重点をおいているといっても過言ではありません。
重い荷物を持たせない
韓国の幼稚園児や小学生は親がかばんを持ってあげるのが一般的。登校班もないので、個人で学校に行きますが、その際に親が付き添ってかばんをもってあげることが大半です。
「重い荷物を持たせると背が伸びない」
という考えが根底にあるようで、親に持たせて手ぶらで登校する小学生をよくみます。
韓国の通学かばんはリュックが主流ですが、教科書は学校におきっぱなしで家には持ち帰りません。
そのためかばんの中は文房具や宿題のノートだけでほぼ空!!
そんな軽いかばんさえも親が持ってあげるのです。
学校に教科書をおきっぱなしの理由は「持ち歩くのは重いから」だそうです。
もし自宅で教科書を使って学習したければ、別途買うことになります。
寝る子は育つ?
日本では「寝る子は育つ」とよく言われ、子供は夜更かしすべきではないという認識がありますが、韓国の子供はたくさん寝て背が高いのでしょうか?
いや、それは全くそうではありません。
韓国では子供の夜更かしに関して親は無関心です。
子供の背を伸ばすためにたくさん食べさせることには躍起になるのに、睡眠への関心が低いように思えます。
保育園のお泊り保育の就寝時間が22時半でした。(驚!)
子供を早く寝かしつける親は珍しく、子供は親と同じ時間に寝るので24時以降であることもザラなのです。
22時過ぎても小さい子連れで出歩いている親をよく見ますし、高校生は22時まで学校でそれから学習塾に通ったりします。
何時に寝ているんでしょう?慢性的な睡眠不足であると推測されることから睡眠時間と身長は比例しないようです。
このことから「寝る子は育つ」の意味は「背が高くなる」のではなく「健やかに成長する」という意味だろうと思います。
寝不足はイライラを招きます。
私の所感ですが、韓国の子供はケンカが多く、親に癇癪を起こしたり不満が多いように見えます。
寝不足が原因のひとつではないかと思いますが、韓国で大きく議論されることはありません。
女性も身長コンプレックスはなぜ?
女の子も170cmを目指してたくさん食べさせられます。
「顔やその他はあとから(整形で)どうにでもなるけど、背だけはどうにもならない」
と言われ、背さえ高ければ誰でもミスコリアになれるという言葉もあるほど。
また、女性が背が高いと「背の高い子供を生みそうだ」と言われ嫁の候補として喜ばれます。
幼いころからの「高身長=善」という教育は背が低いことへの劣等感へとつながり、身長コンプレックスを招いてしまうのです。
なぜ韓国では高身長がいいとされるのか?
そもそもなぜ韓国人は子供の背を伸ばそうと躍起になるのでしょうか?
それについて考えられる点を挙げてみます。
豊かさの象徴
韓国は貧しかった時代から背が高かったわけではありません。
長身であるということは成長期に食べ物に困らなかった豊かさの現われ、とも考えられ、潜在的に高身長への憧れがあるのかもしれません。
見た目のインパクト
韓国人は目から入る情報を重視します。ルックス重視で整形大国であることもそれがゆえんの一つでしょう。
ヤフーコリアが国内ポータブルサイトNAVERやDaumに押されて撤退したのも、それを理解していなかったことが原因とされています。
韓国人向けには画像を多くし、一目でぱっとわかるようにしなければなりません。
背は遠くから見ても一目でわかるもの。
さらに韓国は他人と競い合う社会です。幼いころから比べられ、友達はみんなライバル。
大きいというのはそれだけで威圧感を与えることができ、見た目強そうに見えます。
小さいよりたくましく、頼もしく見えるのかもしれません。
まとめ
「遺伝的な要素も否めないが、重い荷物を子供に持たせないなど親が高身長に対するこだわりが強い。さらに親や周りからたくさん食べさせられ続けた結果、消化能力が育ち、たくさん食べられる体になる。よって毎日の食事量の違いが身長の差を生むと考えられる。」
と結論付けました。
一口でも多く食べさせよう、背を伸ばそうという親の努力が募って高身長になるのだと思います。
背を高くすることより大事なこともありそうな気がしますが・・・韓国社会では高身長というだけで得することが多そうです。