結婚式はこれから夫婦となる新郎新婦の幸せをゲストと分かち合い、新たな門出を一緒に祝う大切な場。
もし韓国人の友達や知人から結婚式に招待されたら?うれしい反面、初めての韓国の結婚式に戸惑うこともたくさんあるはずです。
そこで今回は、韓国の結婚式に出席するときの服装や髪型、ご祝儀、ゲストのマナーなどについてご紹介します。
韓国結婚式の流れ
参列の前にゲスト用式の流れを理解しておきましょう。
①会場受付でご祝儀を渡し、食事券をもらう
この時、懐かしい友達やご家族などと談話します。新郎はゲストを迎えるためにいますが、新婦はいません。
早めに着席すると、新郎新婦の生い立ちや出会いのビデオが流れているときもあります。
②新婦控室は自由に出入りできる
式が始まるまで新婦は控室で待機しているので、自由に会いに行ってお祝いの言葉を伝えたり写真を撮ったりすることができます。
新婦のことを直接知らない新郎側の参列者も控室へ出入りして構いません。
③どこでもいいので着席して式を見守る
式は新郎新婦の母親の入場とろうそく点灯、そして新郎入場、新婦が父親と入場・・・と進みゲストはただ見守ります。
記念公演といって友達の歌や楽器演奏、親戚の中学生が強制的にやらされてる感のKPOPダンスなどの余興が1回くらいあります。
④最後、集合写真撮影に参加
集合写真は親族から始まり、最後友達との集合撮影となります。
このときにブーケトスがあります。
⑤食堂に移動して食事
新郎新婦はそのまま2人だけの撮影があったり、韓服に着替えてペベクという親族のみで行われる韓国伝統の式に移ります。
ゲストは食堂に移動し、受付でもらった食事券を渡して、空いてる席に座り、食事します。
⑥自由解散
食べ終わったら自動的に解散となります。
韓国の結婚式はあまり泣いたりする雰囲気ではありません。
経験談ですが、私はあまり親しくない人の結婚式なのに嗚咽するほど泣いてしまい、新郎新婦親戚友達誰一人涙していない中で、涙が止まらず困ったことも。それ以来、涙腺は固く縛って参列しています。
韓国結婚式、女性ゲストの服装と髪型
韓国の結婚式に出席するとき、一番悩むのが服装。
日本の結婚式では、服装から髪型までしっかりドレスアップするのがマナーとされています。
一方韓国では日本よりかなりカジュアル。
女性ゲストは、過度な露出を控えたワンピースやジャケットにスカートなどが好まれます。やや端麗な通勤服をイメージするといいでしょう。
ただし、日本と同じく新婦のウェディングドレスと重複する白色は避けます。
その他にストッキングの有無やバッグ、靴など小物に関するルールは特にありません。
髪型もダウンやポニーテールなど普段と同じスタイルで出席する人がほとんどなので、早朝から美容院を予約する必要もありません。
韓国ドラマでは伝統衣装の韓服(チマチョゴリ)を着て結婚式に出席するシーンが出てきますが、韓服は基本的に両家の両親や親族のみが着ます。
韓国結婚式、男性ゲストの服装・ネクタイの色
カジュアルな韓国の結婚式ではジーンズで出席するゲストもいるほど。でも、ジーンズは意見が分かれるところなので避けた方がいいでしょう。
男性の場合は、社会人ならスーツに革靴が無難です。学生であれば制服でも可。
色は特に決まりがありませんが、黒やネイビーなどが一般的。シワや埃、汚れがついていないかチェックしましょう。
ネクタイは黒以外であれば構いません。
韓国結婚式、着物はタブー?
あくまで結婚式の主役は新郎新婦なので、韓国ではあまりに目立つゲストの服装はタブーとされています。
そのため日本のようなパーティドレスはもちろん、着物での出席も避けた方がいいでしょう。
ただし日韓カップルの結婚式で、日本人の新婦の母親が着物を着て参列することは例外。
多くの人に日本の文化を知ってもらえる良い機会です。
韓国結婚式のご祝儀金額の相場
新郎新婦へ渡すご祝儀の金額も悩むところ。
韓国ではウォンの通貨を使うので、事前に両替して準備しておきましょう。
日本同様、奇数の金額が好まれる韓国のご祝儀文化。
2009年に初めて5万ウォン札が発行されるまでは、1万ウォン札を用意して3万ウォン、5万ウォンを渡すのがご祝儀の相場でした。
現在では、友達や同僚であれば5万ウォン札一枚を包むのが一般的とされています。
特別仲の良い親友や上司であれば、10万ウォン以上用意する場合も。
ご祝儀は気持ちなので、金額はゲストと新郎新婦との関係によって若干変動します。
もし韓国の結婚式に夫婦同伴で出席する場合は一人5万ウォン、合わせて10万ウォンを包みます。
日本ではご祝儀に新札を用意することがマナーとされていますが、韓国では特に決まっていません。
あまりに古びたシワの多いお札でなければ問題ないでしょう。
ご祝儀袋の書き方
韓国のご祝儀袋には、日本のような水引や折り方に厳しいルールはありません。
最も一般的なご祝儀袋は、真っ白の封筒の表中央に「祝結婚」と書かれているもの。
韓国の文具店や雑貨屋、コンビニなどで購入できます。
どうしても事前に用意できなかった場合は、結婚式当日受付にも置かれていてその場でご祝儀を包む人も。受付にあるご祝儀袋は無料です。
名前はご祝儀袋の後ろに縦書きで記入します。
一般的なご祝儀袋はとてもシンプルなので、もっと華やかなかわいらしいご祝儀袋を渡したい!という場合は、文具店や雑貨屋へ行くといろいろな封筒が売られています。
日本のように目的別に用途が決まっている封筒ではないので、お金を包んでご祝儀袋として使用すると喜ばれます。
ご祝儀の渡し方
韓国の一般的な結婚式場では、同じ会場で一日に何組もの結婚式が行われます。
ロビーには複数の受付台があり新郎新婦の名前と結婚式の時間がそれぞれ書いてあるので、間違えないように注意しましょう。
新郎新婦の友達や親戚の方が担う受付
通常、受付は結婚式の約1時間前から。新郎側と新婦側に受付が分かれています。
日本と同じく芳名録に名前を書き、受付の担当者へご祝儀を渡します。
韓国でももともとは漢字を使う国だったので、年配者の中には漢字で名前を書く人も。
日本人の場合は、漢字でもハングルでも構いません。
結婚式の食事は?
韓国の結婚式は多様化しており、一般的な結婚式場からガーデンウェディング、伝統婚礼などさまざま。
どんなスタイルであっても、結婚式では食事が用意されています。
最も多いのはビュッフェ。結婚式が終わると、食事会場へ移動して受付でもらった食券を係の人へ渡します。
席は決まっておらず、相席になることも。
韓国料理を中心に、洋食や日本料理も人気の定番メニュー。食事会場にはたくさんの料理が並んでいて着席順に食べ始めます。
ペベク(韓国伝統結婚式)を終えて挨拶にきた新郎新婦
食事をしていると新郎新婦が挨拶に回ってくるので、お祝いの言葉を伝えましょう。
食後は自由解散なので、そのまま会場を後にします。
韓国結婚式ゲストのタブー・気を付けること
その他にも、韓国の結婚式へ出席するときのマナーや注意点はたくさん。
ゲストが事前に知っておきたいことをチェックしましょう。
出欠は言わなくていい?
基本的に韓国では、事前に出欠の意思を伝える必要がありません。
最近ではペーパーの招待状よりスマートフォンで簡単に遅れるモバイル招待状が主流になってきていますが、招待状には会場に関する案内だけで返信用はがきや出欠確認の内容はありません。
でも仲が良い友達にもかかわらず、何も言わないで欠席するのは気にかかるところ。
そんなときはお祝いの言葉とともに欠席の旨を事前に伝えてあげると、新郎新婦も気分を害さず今後も良い付き合いができます。
やむを得ず欠席する場合もご祝儀は渡したほうがベター。
特に仲の良い友達であれば、ご祝儀とは別にプレゼントを用意することも。
新郎新婦が使える生活用品やペアグッズ、趣味のアイテムなどを贈ると喜ばれます。
ゲストの席次はある?
事前にゲストの出欠を確認する日本では、当日席次を見て自分の名前の書かれた席に座るのが一般的。
一方、より多くの人から祝福されることを良しとする韓国では、招待した人の家族や面識のない友達の友達まで出席することも。
当日までゲストの人数が確定しないので席次はありません。
一番前に両親や親族が座り、その他は基本的に自由席です。
新郎側と新婦側に分かれており、バージンロードの近くの席は新郎新婦の入退場がよく見えるのでおすすめ。
ゲストが多い結婚式では、席が足りず後方で立ち見になることも。
式中の退席や会話は?
厳格な雰囲気の日本の結婚式とは異なり、韓国では式の最中でもゲストが自由に出入りします。
後方では久しぶりに再会したゲスト同士が自由に会話をしたり、電話したり、子どもが泣いたりすることも。
日本に比べるとやや慌ただしく感じる韓国の結婚式ですが、マナーとして式中はできるだけ静かに、出入りも控えた方がいいでしょう。
集合写真に入る?入らない?
韓国では、結婚式終了後に前方で写真撮影が行われます。
通常は新郎新婦の撮影から始まり、両家の家族、親族、友人や会社関係者という順番で集合写真を撮るので、順番が来たら遠慮せず前方へ並びましょう。
写真撮影はその後もずっと残るものです。
遠慮して写真に入らないよりも一緒に笑顔で写った方が、大勢の友達に囲まれた方が新郎新婦も喜びます。
ブーケトス
結婚式で新婦が未婚の女性にブーケを投げるブーケトス。
ゲストの多い韓国では、事前に受け取ることが決められた人が前に出て、その人に向かって投げます。
「ブーケを受け取った人は半年以内に結婚しないとあと3年は結婚できない」という迷信があるそう。
何も知らずブーケを受け取ってしまわないように、見守っておく方が無難でしょう。
韓国の結婚式は早く早く
せっかちな国民性と言われる韓国。それは結婚式でも例外ではありません。
一般的な結婚式は余興を含めて30分~1時間程度で終わり、同じ日に同一会場で何組ものカップルが式を挙げます。
そのため、結婚式の余韻に浸ったり新郎新婦とゆっくり会話をしたりする時間はほとんどありません。
次の結婚式が控えているので、写真撮影や式場からの退場を係の人からせかされることも。
結婚式がスムーズに行われるように、ゲストもできるだけ協力しましょう。
二次会や引き出物はない?
韓国では結婚式が終わると、すぐ新婚旅行へ出発するカップルがほとんど。そのため多くの場合二次会はありません。
また日本のような引き出物の習慣もないのでゲストは身軽で帰宅できます。
最後に
日本とは違ういろいろな韓国の結婚式事情。
初めてのことで戸惑うことも多いかもしれませんが、文化の違いやおもしろい発見もたくさんあるはずです。
服装や髪型、ご祝儀などゲストのマナーに注意して、韓国の結婚式で新郎新婦にお祝いの気持ちを伝えましょう!