韓国では就職難が続いていると言われますが、実際の就職活動はどのように行われるのでしょうか?
日本人が韓国で就職活動する場合、日本との違いや注意点などもたくさんあります。
そこで今回は、韓国での就職活動についてご紹介します。
韓国での就職活動、服装はスーツ?
日本では典型的なリクルートスーツに黒いバッグ、黒いパンプスなど、就職活動用の服装が決まっています。
韓国でも基本的に就職活動にはスーツを着ますが、リクルートスーツのように決まったスタイルはありません。
女性の場合、黒やネイビーの上下スーツであれば襟付きシャツでなくても構いません。髪型も比較的自由ですが、端正な身だしなみが好まれます。
就職後も会社で着られるようなスーツを用意すれば問題ありません。
韓国での就職活動、みんな整形するの?
韓国社会は外見至上主義と言われることがあります。つまり、見た目が重視される社会だということ。
確かに韓国は、男女とも美に対する意識が高くメイクや整形の先進国。
就職活動ではあからさまに外見について言及するようなことはありませんが、学歴や成績、評価など同等な場合は外見が良い人の方が採用されるということも。
そのため、特に就職活動を控えた学生は整形する人も多くいます。
整形しなければ就職できないということはありませんが、整形で就職活動が有利になると言えそうです。
韓国での就職活動、ビザはどうなる?
韓国で就職活動するにはビザが必要です。
日本に居住している場合は、就職試験の日程に合わせて韓国へ渡航する人が多いようです。
ビザなしで90日まで韓国で滞在することができます。
もし韓国の大学または大学院を卒業した場合は、卒業後に求職ビザ(D-10)を発行することができます。
このビザを取得すれば、就職活動やインターンシップなどが可能に。期間は6ヵ月、最長2年まで延長できます。
ただし、語学堂の場合は対象外です。
ワーキングホリデーで滞在中の場合は、最大で30日間の延長が可能。早めに就職活動を行うのがおすすめです。
韓国での就職活動、日本との違いは?
日本で就職活動する場合は、どんな希望条件が挙げられるでしょうか?
企業の知名度や給料、業務内容など優先順位は人によって異なります。大企業ではないけど、地元に残りたいから転勤のない中小企業を選ぶというケースも多いはず。
ところが韓国ではとにかく大企業への就職を希望する人がはるかに多く、その他の条件は二の次。そのため、競争も非常に激しくなります。
その厳しい就職戦争で成功を勝ち取るため、韓国の就職活動には日本とのいろいろな違いがあります。
スケジュール
企業が採用活動を始める時期が決まっている日本では、全国一斉に就職活動をスタートします。
しかし韓国では、日本のようにはっきりとしたスケジュールが決まっていません。そのため、希望する企業を絞ったら採用情報を収集しそれに合わせて動いていきます。
大学4年生の場合は、論文の作成や発表の都合を調整しながら就職活動を開始。
また、入社日も企業によって異なります。
毎年4月1日に全国各地で行われる日本の入社式。
一方韓国では、内定通知を受け取った翌日から出勤しなければならないことも多々あります。
大学の卒業前に、会社へ出勤するのです。
韓国では、一日でも早く仕事に慣れて業務をこなすことが求められます。
スペック
韓国では、就職活動に欠かせないスペック。
韓国の就職活動におけるスペックとは、資格やボランティア、インターンシップなどを指します。
韓国の大学では、卒業要件にTOEICの点数を設けています。
たとえ大学の卒業必須単位を満たしたとしても、TOEICの点数がクリアできなければ卒業できないのです。
驚くべきことに800~900点が必要な大学も珍しくありません。
それ以外に代表的なものは、PC関係の資格。
ワードやエクセルなどは基本でしかなく、塾に通いながらより専門的な資格を取得します。
また、ボランティアも必須。例えば、海外の砂漠地帯での植林活動や恵まれない地域での教育活動など様々なボランティアに参加します。
韓国の大学生はこれらのスペックを上げるため、大学の数年間は休学することも。
一人ひとりの性格やこれまでの努力など、できるだけ内部要素を評価しようとする日本の企業に比べ、韓国では確固としたスペックが必要なのです。
合同セミナー
日本でも各企業が自社の概要を説明するために企業説明会を行うことがありますが、韓国では合同セミナーと呼ばれています。
地方自治体や研究機関が無料で提供する合同セミナーもあれば、企業が主体となって実施することもあります。中には、地方へ泊りがけで行われる合同セミナーも。
セミナーは就職に必要な知識を提供するというよりも、あるプロジェクトを想定しその実施計画や問題点の解決方法を発表するなど、非常に実践的な内容で実施されます。
このセミナーを就職活動の一次評価として位置付けている企業もあり、参加者は緊張感を持って臨みます。
最後に
日本とは異なる韓国の就職活動。日本人を含め外国人の場合は別の採用枠を設けている企業もあるので、必ずしも全てが当てはまるわけではありません。
どちらにしてもスケジュールや採用方法が企業によって全く異なることから、自主的に動いて綿密な情報収集が必要です。
これから韓国での就職を目指す人は、ぜひ今回の内容を役立ててくださいね。