日本人にも人気の高い韓国料理。
その中でも特に麺料理は非常に種類が豊富で、辛い物が苦手な人でも安心して食べられるメニューもたくさんあります。
そこで今回は、韓国で人気の麺料理をピックアップ!名前や種類、食べ方などをご紹介します。
焼肉のシメに 冷麺(ネンミョン)
日本の夏の麺料理といえば冷やし中華ですが、韓国では冷麺(ネンミョン)。
麺の主な主原料はそば粉やでん粉。細くてモチモチした食感が特徴です。
実は、もともとは冬の料理だったそう。寒い季節にオンドル(床暖房)の上で食べる習慣がありました。
ところが朝鮮戦争の後、北から南へ広がり夏の料理として定着。現在では季節を問わず通年メニューとして人気があります。
焼き肉やサムギョプサルのシメの料理としてもよく食べられるネンミョン。
ネンミョンの種類
ネンミョンには、大きく分けて水冷麺(ムルネンミョン)とビビン冷麺(ビビンネンミョン)の二種類があります。
水冷麺は、主にそば粉を原材料とした柔らかい麺を使った麺料理。
透明に近いスープは肉をベースにしたダシに大根の水キムチの汁を加えたもので、やや酸っぱくてさっぱりとした味です。
辛い物が苦手な人や水キムチが好きな人にはおすすめ。
ビビン麺
ビビン冷麺はでん粉で作った麺を使うので、コシのある麺と辛口ダレが特徴。
コチュジャンや唐辛子の粉を混ぜたもので、赤いタレがたっぷりとかかっています。
辛い物が好きな人は、食欲をそそる味。
その他に、刺身を乗せたフェネンミョンや大根の葉キムチネンミョンなどがあります。
冷麺の具材
どちらも麺の上には細切りにしたキュウリや大根の水キムチ、果物の梨、ゆで卵などがきれいに乗っています。
冷麺の食べ方
とても弾力があるネンミョンの麺は食べづらいので、大まかにハサミを入れてから食べます。
テーブルにはお酢やからしなどの調味料が備え付けてあり、お好みの味に調整して食べるのが一般的。
冷麺に合うおかず
ネンミョンには、マンドゥ(韓国式餃子)やチヂミなどのおかずがよく合います。
飲食店でネンミョンを注文すると、牛骨スープが一緒に出てくることも。
牛骨スープは独特な匂いもなく優しい味なので、冷たいネンミョンを食べた後にゆっくり飲むと体にじんわりと伝わります。
韓国のうどん カルグクス
日本のうどんに似た韓国のカルグクスは、小麦粉を原材料とする麺を使った温かい麺料理。
「カル」は韓国語で包丁、「グクス」は麺という意味。包丁で麺を切ることからこの名前が付けられたと言われています。
白っぽいスープは全く辛くなく、あっさりとしているので日本人には食べやすい味です。
特に辛い物が苦手な人や子どもにおすすめ。
カルグクスの具材
カルグクスの具材は、細切りにしたニンジンや韓国のズッキーニ、白ネギなど。
アサリや肉、海産物が入ったカルグクスもあり、お店や地域によって異なります。
麺はやはり手打ち麺が人気。コシがあってもちっとした食感が特徴です。
カルグクスの食べ方
しっかりしたダシで煮込んであるのでそのまま食べてもおいしいですが、付け合わせの薬味を加えると味のポイントに。
薬味は唐辛子の粉をベースに作られているので、ピリッとした味わいを楽しめます。
優しい味のカルグクスは、刺激のあるキムチと一緒に食べてもおいしいです。
カルグクスに合うおかず
カルグクスと一緒に食べたいおかずはマンドゥ。マンドゥはカルグクス店の定番メニューです。
また、鍋料理のシメにカルグクスの麺を入れて食べることも。いろいろな具材から染み出たスープでカルグクスを食べると絶品です。
夏の風物詩 コングクス
韓国語で「コン」は豆、「グクス」は麺という意味。
大豆や黒豆を材料として作った冷たい麺料理で、主に夏のメニューです。
豆乳に似たスープは豆の甘味と香ばしさが特徴。濃厚で栄養があり、夏バテにもぴったり。
豆腐や豆乳が好きな人にはぜひおすすめの麺料理です。
コングクスの具材
コングクスのスープは、豆をミキサーで液状にしたものをこして作られます。
つるっとして食べやすい麺は、小麦粉以外にそば粉を使用するお店も。
麺の上には細切りにしたキュウリやトマトなどの夏野菜が乗り、ゴマでさらに香ばしさが増します。
コングクスの食べ方
スープが濃厚なので、まずは麺とスープをしっかり絡めます。
味が少し薄ければ、備え付けの塩を加えたりキムチと一緒に食べたりするとよりおいしくなります。
コングクスに合うおかず
コングクスは濃厚で優しい味なので、ピリッとした味付けのおかずがよく合います。
付け出しで出されるキムチ類や青唐辛子、辛い和え物などと一緒に食べると程よい刺激が加わります。
お祝いにかかせない ククス
日本のそうめんに似た細めの麺料理「ククス」。
通常温かいスープで食べますが、コチュジャンのタレで混ぜたビビングクスや冷たいキムチマリグクスなども。
また、海苔や細切りにした白と黄の錦糸玉子が乗ったチャンチグクスは、「細長い麺のように長く幸せに暮らせる」という縁起の良い料理。
結婚式やお祝いの行事で食べることが多いククスです。
ククスの具材
一般的な温かいスープの原材料は煮干し。うどんのスープに似たあっさりとして優しい味です。
具材は細切りにしたニンジンや韓国のズッキーニ、ネギなど。
お店によっては鶏肉や豚肉が入っていることも。
ククスの食べ方
麺が細いので、ふやけてしまわないよう熱々のうちに食べるのがポイント。
上に乗っている具材と麺を一緒に食べるとおいしいです。
ククスに合うおかず
ククスはあっさりとした優しい味なので、ピリッとしたおかずがよく合います。
付け出しの白菜キムチやカクテキ、唐辛子の粉を使った和え物と一緒に食べるとおいしさが増します。
みんな大好き ジャージャー麺(ジャジャンミョン)
ジャージャー麺は韓国人の国民食と言われるほど、老若男女から支持されている人気の高い麺料理。
韓国の中華料理店では欠かせない代表メニューで、デリバリーやテイクアウトも一般的。
韓国ドラマでもよく出るように、引っ越しの日には必ず食べます。
他にも、大学生が集まるビリヤード場やPCバン(インターネットカフェ)などでよく食べる料理。
毎年4月14日はブラックデーと呼ばれ、バレンタインデーやホワイトデーを恋人と過ごせなかった人が黒い服を着て黒いジャージャー麺を食べる日とされています。
麺の上に黒いソースがたっぷりかかっているので、初めて見ると少し驚くことも。
味付けはチュンジャンという黒味噌。香ばしさと甘辛い味が特徴です。
ジャージャー麺の具材
豚肉やタマネギなどをチュンジャンでしっかり炒め、片栗粉でとろみをつけた黒いソース。
海鮮ジャージャー麺にはイカやエビなども入っています。やや太めの麺が主流です。
ジャージャー麺の食べ方
ソースと麺がしっかり絡むように、お箸を一本ずつ両手で持って混ぜるのが韓国流。
ジャージャー麺を食べた後は口の周りや歯が真っ黒になるので注意しましょう。
ジャージャー麺に合うおかず
ジャージャー麺は単品で食べることがほとんど。
チュンジャンは味が濃いので、付け出しのたくあんと一緒に食べると口の中がさっぱりします。
また、中華料理店でチャーハンを注文すると、ご飯の上にジャージャー麺の黒いソースがかかっています。
チャーハンは味付けが薄いので、ソースと一緒に食べるのが一般的です。
中華の定番 チャンポン
日本のチャンポンは白いスープが一般的ですが、韓国のチャンポンはスープが赤くてとても辛いのが特徴。
熱々のスープには唐辛子の粉が大量に入っているので、汗を拭きながら食べる人の姿も。
チャンポンは中国から韓国の仁川に伝わり、韓国風にアレンジされたと言われています。
韓国の中華料理店では、ジャージャー麺と同じく代表メニュー。イートインの他にデリバリーやテイクアウトでもよく食べられます。
寒い冬はもちろん、夏の暑い日にあえて熱いチャンポンを食べて汗を流すという風習も。
辛い物が好きな人にはぴったりの麺料理です。
チャンポンの具材
ふんだんに使われる豚肉や野菜、魚介類から染み出た旨味が感じられます。
強い辛さの中に深い味わいのあるスープです。
チャンポンの食べ方
スープが辛いからといって、お水を飲みながら食べるとより辛さが増します。
他のおかずや付け出しと交互に食べるのがポイントです。
チャンポンに合うおかず
辛いチャンポンには、マンドゥやタンスユッ(韓国の酢豚)が人気。
タンスユッは少し酸っぱいので、チャンポンの辛さを和らげてくれます。
夏に食べたい マッククス
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マッククスは冷たい麺料理で夏に人気のメニュー。
ネンミョンと同じく、大根の水キムチの汁がかかったムルグクスと辛いビビングクスがあります。
そば粉で作られた麺はつるんとした滑らかさが特徴。
単品メニューとして食べるほか、タッカルビ(鶏料理)定番のサイドメニューです。
マッククスの具材
麺の上に細切りのキュウリや海苔、大根キムチ、ゆで卵が乗っています。
辛いビビングクスの場合は、コチュジャンや唐辛子の粉を混ぜ合わせたタレがかかっています。
マッククスの食べ方
ムルグクスはさっぱりとした味ですが、備え付けのお酢やからしを加えてお好みの味に。
辛いビビングクスは、ソースと麺がしっかり絡むように混ぜてから食べるのがポイントです。
マッククスに合うおかず
マッククスは焼き肉のシメとして食べることも。
豚足やポッサム(蒸し豚料理)のお店では、生野菜と一緒に食べるサラダ感覚のマッククスもあります。
釜山の郷土料理 ミルミョン
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釜山の郷土料理ミルミョンは、「ミルカル(小麦粉)」と「ミョン(麺)」から名付けられた麺料理。
モチモチした食感と冷たいスープが特徴で、暑い季節に人気があります。
ミルミョンの具材
牛肉や豚肉からとったダシで日本人も食べやすいスープ。
麺の上には細切りのキュウリ、ニンニクや唐辛子で作った薬味、ゆで玉子、蒸し豚などが乗っています。
ピリ辛の薬味がスープに溶け込んで、さっぱりとした味わいが楽しめます。
ミルミョンの食べ方
食べる前に、薬味と麺が絡むようしっかり混ぜてから食べるのがポイントです。
ミルミョンに合うおかず
冷たいミルミョンにはマンドゥがおすすめ。
蒸したてのマンドゥは熱くて食べ応えがあるので、つるっとしたミルミョンにぴったりです。
韓国のすいとん スジェビ
日本のすいとんに似た韓国のスジェビ。
水を加えてしっかり練った小麦粉を手でちぎり、スープで煮込んだ料理です。
一口サイズで食べやすく、モチっとした食感が特徴。
スジェビの具材
肉や魚介がベースのスープは、あっさりとして優しい味。
具材は細切りにしたニンジンや韓国のズッキーニ、ニンニクなど。最後に海苔をふりかけます。
スジェビの食べ方
スジェビはあっさりした味なので、刺激が足りないと感じたら備え付けのコショウや七味唐辛子、タレなどを加えます。
スジェビに合うおかず
優しい味のスジェビには、付け出しで出てくるピリ辛のキムチやカクテキ、唐辛子の粉で和えたおかずなどがよく合います。
生ラーメン似?! チョルミョン
生野菜がたっぷり入ったチョルミョンは、冷たい麺料理。
サラダ感覚で食べられるので女性にも大人気です。
黄色っぽい麺は、日本の生ラーメンに似たモチモチとした食感が特徴。
チョルミョンの具材
具材はたくさんのレタスやキャベツ、キュウリ、大根の水キムチなど。
唐辛子の粉や砂糖などを混ぜて作った甘辛いタレがかかっています。
チョルミョンの食べ方
タレと麺をよく混ぜ、生野菜と一緒に食べます。
チョルミョンに合うおかず
野菜の量が多いチョルミョンは、単品で食べてもお腹がふくれます。
サイドメニューを注文するなら、蒸したてのマンドゥがおすすめ。
お祝いに欠かせないおかず チャプチェ
チャプチェは、モチモチしたタンミョンと呼ばれる麺が特徴の麺料理。
高級韓定食には欠かせない一品ですが、家庭でもおかずとして一般的に作られます。
ニンニクとしょうゆベースの味付けが日本人にも大人気。辛い物が苦手な人でもおいしく食べられます。
チャプチェの具材
ニンジンやホウレン草、タマネギ、パプリカ、キノコ類などいろいろな野菜を炒め、茹でたタンミョンに混ぜ合わせて作ります。
チャプチェの食べ方
具材と麺を一緒に食べると、バランスよく食感や味を楽しめます。
チャプチェに合うおかず
チャプチェはご飯に合う料理。
チャプチェをハサミで細かく切り、フライパンでご飯と一緒に炒めると「チャプチェパプ」と呼ばれるチャーハンにアレンジもできます。
韓国麺料理の食べ方はすするのがマナー?
韓国では、本来麺をすすって食べるのはマナーが悪いとされています。
でも実際には、ズルズルッと麺をすすって食べている人がほとんど。そこまで神経質にならなくても構いません。
韓国では女性が麺料理を食べるとき、左手に持ったスプーンの上に右手のお箸で麺を乗せ、すするのではなく麺をパクッと一口で食べる姿をよく見かけます。
これは韓国にもともとあったマナーではなく、少食に見せたいという女性の思いから生まれた独特の食べ方のようです。
最後に
麺料理の天国ともいえる韓国!
種類も豊富で、それぞれの料理に違った麺やスープ、食べ方があります。
韓国旅行ではぜひお好みの麺料理を探してみてくださいね。