韓国の食事のマナーは日本とは異なります。
外国だから当たり前!なんですが、日本人と韓国人は見た目が似ているため、異文化であることが認識しにくかったりして、びっくりしてしまうことも。
その違いについて韓国在住歴15年の筆者が解説していきます。
咀嚼音くちゃくちゃ、残す文化についても紹介します。
韓国の食事マナー日本との違い
日本人から見ると、あぐらや片方の膝を立てて座ったり、何のマナーもないように見えるかもしれません。
しかし当然ですが、韓国にもマナーはあります。
1 お茶碗は持たない
これは最もよく言われることで、日本ではお茶碗を持って食べますが、韓国では置いたまま食べます。
それ以前にお茶碗の作りからして、熱くて持てません。
2 目上の人から先に箸をつける
今はそれほどうるさく言われなくなりましたが、それでも年長者が箸をつけるまでは手を出さないというのがマナー。
年長者がいつまでも食べ始めない場合、そのほかの者はただじっと待っています。
韓国のマナーや礼儀は食事に限らず、年長者との関係が中心です。
3 食べ終わったお皿を重ねない
韓国人の食事マナーを紹介するところにはまず載っていませんが、食べ終わったお皿は重ねないほうがいいです。
一般的にしない行為です。
特にまだ食べている人がいるときにそれをやるのは早く食べろ!という意味にもなり、年長者に対しては特に失礼にあたります。
4 スプーンと箸の使い方
韓国ではスープとご飯はスプーンで、おかずはお箸で食べるのがマナー。
知り合いの40代の人の話によると、「子供時代は箸でご飯を食べたら厳しく怒られた」そうで、今はそれほどうるさく言われなくなったとのことです。
それでも年配の方が見たら気に障る行為なので、韓国人の彼氏の家族と食事なんていう場面では注意したほうがいいです。
5 ゴハンをよそるのは年長者から
小さい子は先によそってある程度冷ましておいたほうがいいですよね。
そういう事情は加味してくれると思いますが、一般的に年長者から先によそらねばなりません。
ともかくも、年長者に対しての礼儀を守っていれば韓国では間違いはありません。
日韓の食事の仕方の違い
韓国ではよくあるけど、日本ではまず見かけない食事の仕方について説明します。
1 骨や皮の置く場所
魚の骨や、果物の皮など食べない部分を韓国ではテーブルに直接置きます。
日本人はテーブルが汚れるのを嫌い、お皿の上に置くのが普通ですよね。
例えば取り皿がなく、真ん中の大きなお皿しかない場合、テーブルに直接置くよりは、大きなお皿のはじに置くほうがいいと思うのではないでしょうか?
例えばブドウの皮。真ん中の大皿でみんなで食べていたとして、取り皿がなければ皮はどこに置くでしょうか?
韓国人はテーブルに直接置きます。
日本人なら真ん中の大皿のブドウをよけてスペースを作り、そこに置くのではないでしょうか?
日本人にはテーブルに直に置くという選択肢がないと思います。
ティッシュをお皿の代わりにして、その上に置くの日本人。
食べ物がある皿にゴミを載せるのを嫌い、テーブルに直に置くのが韓国人。
2 口から直接吐き出す
食事中に魚の骨や食べ物の皮などを口から直接ぺっぺとテーブルに吐き出す場面によく遭遇してきました。
バーベキューのような屋外での食事の場合、地面に直接吐き出すのもよくみます。
3 箸と箸で食べ物を渡す
日本では絶対にNGで、どんなにお行儀の悪い人でも絶対にやらないことです。
韓国では遠くのおかずが取れない場合、近くの人に取ってもらいますがそれを箸渡しで行うのもよくあります。
4 果物はみんなの前でむく
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韓国ではトマトは果物
食後や来客時に果物を食べようとなったとき、必ずナイフと果物を持ってきてみんなの前で切ります。
台所で全部むいて切って準備して、テーブルへということはしません。
そして、気になるのはそのままそこに置きっぱなしの果物ナイフ。
食べ終わるまでナイフはそこに無造作に置かれています。
床にお皿を置いてテーブルなしで、食べたりすることも多々あるので、ナイフが床に置かれたままということも。
5 取り皿がない
個人用の取り皿がなく、おかずを直にとって食べるのが韓国式。
真ん中のスープも一度口を付けたスプーンをそのままスープに入れてみんなで一緒に食べます。
6 混ぜる
ビビンパはよく混ざっていないと美味しくありません。
その流れで、カレーライスなども全部混ぜてから食べます。
韓国の食事マナー くちゃくちゃはいいの?
くちゃくちゃという咀嚼音、これは不快に思う方も多いでしょう。
韓国でも「口を閉じて食べなさい」と言われますし、くちゃくちゃを全く気にしてないというわけではないんです。
ただ、日本人よりは気にしない、気になる度合いが違うというところでしょうか。
日本人でもお茶や麺をすする音が嫌だ感じる方もいますが、欧米の人ほどではないと思います。
どこまでが許容範囲かというのは人それぞれ。
ただ日本人よりはくちゃくちゃに対しておおらかなのは確かです。
韓国の食事マナー 残す文化は今もある?
韓国でお客さんをもてなす時に、テーブルいっぱいの料理を並べ、客側は全部食べないことがマナーと言われています。
全部食べる=足りなかった、という意味になり、完食することが逆に失礼になるのです。
だから、食べ物を残すことに全く抵抗がなく、ビュッフェなどでも食べきれないほどの料理を持ってきて、大量に残すということが当たり前に行われていました。
一般の食堂などでは、メインを注文するとキムチやその他のおかずは無料で、しかもおかわり自由なため、おかわりしておいて残す、というのも普通でした。
これらが問題視され、徐々に「食べ物は残してはいけない」という風潮が広まってきました。
・食べられる分だけ自分で盛る
・ビュッフェなどでは大量に残したら罰金
というように、外食産業では食べ物を廃棄しないような取り組みがされています。
ただ、お客さんとして招かれた場合、そこの家の料理は少し残したほうがいいでしょう。
やはり完食は足りなかったと思われ、どんどん出てくる可能性があります。
最後に
郷に入っては郷に従えなので、ぎょっとする場面に遭遇してもそこが外国だと理解しましょう。
日本で当たり前のことが、外国人にはぎょっとすることだってあるのですから、お互い様です。
この記事が何らかのお役に立てれば幸いです。