韓国水泳国家代表選手であり、女子背泳ぎの看板イムダソル選手。
圧倒的な強さでこれまで何度も韓国新記録を打ち出し、多くのファンから注目を集めてきました。
今回は、イムダソル選手のプロフィールと成績、トレーニング法などについてご紹介します。
(トップ画像https://sports.news.naver.comより)
イムダソルのプロフィールと成績
生年月日 1998年1月21日
出身地 忠清南道鶏龍市
身長 173cm
体重 57kg
所属 牙山市庁
中学・高校時代
中学3年生の時に現在のコーチに出会い、本格的に水泳を続けてきたイムダソル選手。
高校1年生だった2013年3月に済州島で開催された水泳大会へ出場し、女子高等部個人メドレー200m、背泳ぎ200mでそれぞれ優勝を飾りました。
続く5月、第85回東亜全国水泳大会女子高等部背泳ぎ200m決勝に出場。
見事2分12秒03という韓国新記録を打ち出し、金メダルを獲得しました。
当時、高校生という身分での快挙にイムダソル選手は「母校と地域の名誉だ」と多くの称賛の声を浴びました。
国際大会での挫折
2016年に出場した第88回東亜全国水泳大会女子背泳ぎ100mでは初めて1分0秒台に突入し、1分00秒47という素晴らしい成績で韓国記録を塗り替えました。
国内大会で見せつけた圧倒的な強さで、次は国際舞台へ挑戦。
ところが、2017年7月にブダペストで開かれた世界選手権では準決勝進出ならず。
2018年8月ジャカルタアジア大会でも、残念ながら当初目標としていたメダル獲得とはなりませんでした。
国際大会での挫折は、イムダソル選手本人に大きな衝撃を与えることに。
しかしこの苦い経験をバネに、さらに努力することを決意。再び頂点を目指して立ち上がりました。
次々と韓国新記録を樹立
2019年5月、イムダソル選手は韓国国内で開かれた2019競泳国家代表二次選抜大会に出場。
初日に開かれた女子背泳ぎ100m決勝では1分00秒44を記録し、韓国新記録を樹立。
これまで3年間破られなかった自身の1分00秒47を自ら更新しました。
そのわずか2日後、今度は女子背泳ぎ200m決勝でまたもや韓国新記録を叩き出し1位に。
自身の持つ2年前の韓国記録2分09秒77を2分09秒49に更新しました。
これにより、7月開催予定の光州世界水泳選手権大会への出場が確定。再び国際大会への切符を手に入れました。
続く6月に開かれた第91回東亜全国水泳大会でも素晴らしい泳ぎを見せ、女子背泳ぎ100mで1分00秒16を記録。
前回の国家代表二次選抜からタイムを0.28秒縮めたイムダソル選手は、大会最優秀選手(MVP)に選ばれました。
いざ光州世界水泳選手権大会へ
これまでの大きな国際大会では、なかなか本来の強さを発揮できなかったイムダソル選手。
現在、自国開催となる2019年7月の光州世界水泳選手権大会に向けて準備を行っています。
大会まで残り1ヵ月間となり、体力の向上と短距離訓練に集中。
世界最高選手たちによる熱戦が予想される今大会では、国際大会初となるメダル獲得に挑戦します。
イムダソルの椎間板ヘルニアとトレーニング法
イムダソル選手は高校生の頃、ウェイトトレーニング中に椎間板ヘルニアを発症しました。
さらに右肩の靭帯まで破裂。肩の影響で、肘にも痛みを抱えるように。
腰の痛みがひどい時は当然重要な訓練もままならず、高校1年生からこれまで常に痛みと共にしてきたと言います。
その後、退行性の椎間板ヘルニアという診断を受け、試合で結果が出ないだけでなく立っているだけでも痛みが襲うこともあるそう。
それでも一定期間プールを離れなければならなくなる手術は、水泳のために諦めました。
KBSニュースのインタビューによると、イムダソル選手は
「手術をすればリハビリを含めて約1年は休まなければならない。それは選手として事実上終わりを迎えたのと同じこと。現在はリハビリ治療を並行しながら訓練に励んでいる」
と水泳への熱意を語っています。
そんなイムダソル選手の大きな支えであり水泳の原動力となっているのが、中学時代から指導を受けてきた生涯の恩人、ファンヘギョンコーチ。
イムダソル選手は、
「高校3年生の時に水泳を本気で辞めたいと思うほどとても苦しかったが、コーチの激励のおかげでここまで来られた」
と振り返っています。
コーチのご主人もまたトレーナーとして、怪我に苦しむイムダソル選手が選手生活を続けられるよう細かいところまでケアしてきました。
現在も椎間板ヘルニアで苦しむイムダソル選手のトレーニング法は、特に腰の周囲の筋肉を強化すること。
これによって痛みを多少緩和できているそうです。
イムダソル選手の持つ背泳ぎ200m韓国新記録について、ファンコーチは
「練習では実際にもっと良い記録が出ているので、状態を最高に持っていければ2分7秒台も見えてくる。そうするとメダル圏も狙えるだろう」
と、イムダソル選手の状態を肯定的に捉えています。
最後に
韓国記録を何度も更新し、女子背泳ぎの頂点に立つイムダソル選手。
その輝かしい成績の裏には、怪我に苦しみながらも諦めない水泳への情熱とたゆまぬ努力があるようです。
光州世界水泳選手権大会ではどんな泳ぎを見せてくれるのか、今後の韓国新記録もあわせて注目したいところです。