韓国人が仕事中に携帯で個人的な電話をしている様子をドラマや韓国旅行で実際に見たことがありませんか?
日本の会社より携帯電話の使用に寛大な韓国。
今回は、仕事中の電話にまつわるエピソードをご紹介します!
韓国では仕事中の携帯はOK?
韓国ではコンビニやレストランなどの店員が仕事中に携帯をいじっているのをよくみます。
実際のビジネスシーンではどうなんでしょうか?
多くの韓国の会社では、仕事中に個人の携帯を使うことが許されています。
さすがにデスクで私用の電話をすることはあまり良しとされていませんが、仕事中に席を空けることは比較的自由です。
これには大きく2つの理由が。
一つは無料通話アプリ(カカオトーク)。
韓国では、仕事中に無料通話アプリの個人のアカウントを使って会議の資料を共有したり報告書を送ったりします。
取引先へはメールを使いますが、社内では早くて便利な機能がたくさんあるアプリが一般的。
多くの韓国人は、携帯はもちろんパソコンにも無料通話アプリをダウンロードして使っています。
そのため、仕事中に私的なメッセージのやりとりをしても分かりません。
二つ目に、韓国ではよく個人の携帯を仕事で使用するということ。
名刺やメールにも個人の電話番号を載せる韓国。
日本人としては個人情報が心配になるところですが、韓国では一般的です。
社内の同僚はもちろん外部の取引先や知らない人からも電話がかかってきます。
このような理由から、韓国では仕事中に携帯を使う様子がよく見られるのです。
仕事中の電話、例外に注意!
じゃあなんでもいいのね、っていうわけではないんです。
会議中や接客中、商談中は韓国でも携帯の使用がNGです。
また、上司が絶対的な存在である韓国では、上司と二人きりでいる時に電話が鳴ると慌てて携帯を切る人も。
さらに特定の職種、例えば技術開発に携わっている人は、商品に関する情報漏洩を防ぐために携帯の持ち込み自体ができません。
衛生管理の理由から、料理人や食品工場なども同様です。
電話にまつわる驚きのエピソード!
韓国のビジネスシーンで実際に体験したエピソードを紹介します。
仕事中に友達とカカオトーク?
筆者が初めて韓国の会社に入社した時、個人の携帯を仕事中に触ることについてとても違和感がありました。
無料通話アプリ(カカオトーク)で個人の携帯に資料が送られてきても、なんだか悪いことをしているようで一人ソワソワしていました。
ある日、質問があって向かいに座っている社員の席へ近寄ったところ、それまで真剣な顔で携帯を操作していたのに、実は何十分も前から友達と個人的なメッセージを続けていたことにびっくり。
でも、特に悪びれた様子もなく友達の写真を見せてきた時は、やっぱりカルチャーショックを受けました。
日本と違うお客様との関係
日本の会社、特にサービス業では基本的にお客様第一。
顧客から電話がかかってきたら優先的に処理しようとしますよね。
韓国の会社で電話応対を任されていた筆者は、ある日他の社員宛てに顧客から電話が。
社内を見渡すとその社員は数人で立ったまま雑談中だったので、電話がかかってきたことを伝えると「取り込み中だから一時間後もう一度かけるように伝えて」と言われました。
一瞬違和感を覚えましたが、その通りに顧客へ伝え電話を切ったところで隣の社員が筆者にひっそりと。
「社員同士が話をしていたら、割り込まずに顧客を後回しにするのが普通ですよ。」
課のミーティングや上司への報告中でも、顧客から電話がかかってきたらすぐその場を離れて対応するお客様優先の日本の会社に慣れていた筆者は、あまりに衝撃的で一瞬言葉を失ってしまいました。
これは、各種電話案内サービスも同様です。
例えば、銀行やカード会社などのコールセンターに電話をかけると、昼食時間は電話が一切つながりません。
一般の会社でも、その時間は昼食時間を知らせる自動音声が流れるところも。
社員同士が昼食時間をずらせば済むことではないのかと思うのですが、たとえ相手がお客様であってもこの時間は受け付けません。
最後に
韓国のビジネスシーンにおける携帯事情でした。
見方を変えれば、仕事中でもある程度個人的な時間が許されていて、お客様第一主義ではなく社員と顧客が対等な立場にあるということかもしれません。