日本映画が「つまらない、面白くない」と言われるようになって何年経つでしょうか?
勿論、面白い面白くないは人それぞれなので一概には言えないのですが、それにしてもここ何年かは圧倒的に面白くない作品の比率が高いように思います。
当然、中には面白い作品もあるのですが、そんな作品がヒットしていないのも現状で、韓国のように面白くて評価も高い作品がちゃんと映画館でヒットすることが日本では少ないというのは実に残念に思います。
今回は邦画はなぜつまらないか、勢いのある韓国映画と比べて考証していきます。
邦画はなぜつまらない?
邦画は実際には面白い作品があったとしても、それがジブリやディズニー作品のように広く一般的に知られていないと日本映画が面白いとは認識されず、目立った作品が無いように思われてしまいます。
それは日本映画界の仕組みであったり、映画館のチケット代の問題などもあるのですが、
わざわざ映画館に足を運ばなくなった人が減っているのも要因でしょう。
シネコンばかり増えて、それに合わせた映画しか上映されていないという現状があり、シネコンが併設されたショッピングモールに来る客層に合わせた映画が優遇されている印象も強く、作り手側もそれに合わせたものしか製作出来ないということもあるようです。
なので昨年ブームになった『カメラを止めるな!』のようなレアケースは除き、殆どが小説や漫画を原作にしたある一定の動員が見込めそうなものや、子供やファミリー向けのアニメに、大人も楽しめる大作アニメばかりになっているんです。
とくに近年は少女マンガを原作にした恋愛ものや、昔から続く少年漫画の実写化作品ばかりが作られ、しかも大ヒットするわけではなくそこそこな動員なものが沢山あるという印象があります。
なので誰も彼もが見たヒット作は、ハリウッド大作や、有名アニメスタジオや監督の作品だけということになってしまってるんです。
では、先程例に出した「韓国映画」はどうなのかを挙げて、今の「日本映画」と比べてみようと思います。
韓国映画と比べて面白くない理由!
1、映画館に足を運ぶ頻度が違う
世界的に見ても日本では映画館で映画を観る人が少なく、年間でも平均1回ほど映画館に足を運ぶくらいなのですが、韓国では映画館に足を運ぶ人が多く、平均すると年間で4回以上なんだとか!
そして、韓国は映画館のチケット代が約600~1000円くらいと日本の半額以下で、高い席でも日本より断然安く見れます。
それに比べ日本は基本が1800円と、世界で見てもかなりチケット代が高いようです。
そして韓国では映画館に豪華な施設が用意されていることもあり、デートにもってこいな特別席や、席から直接飲み物を注文出来るシステムなどもあるようで、映画をいかに楽しめるかに凝っているんです。
その上、最新のシアターシステムも日本よりも早く導入されたりと、圧倒的に映画館の質が高いのも要因だと思います。
2、映画そのもののクオリティの高さ
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韓国のとある映画館
先程の映画館に足を運ぶ頻度が韓国は日本の4倍だというのは、映画そのもののクオリティの高さも理由として挙げられていて、映画にかける予算もかなり高いようです。
しかし国のGDPで見ると韓国は日本の1/3しかなく、人口も日本の半分以下なんです。
それなのに、韓国映画の方が日本よりも予算がかけられるのには国家が産業を後押ししていることも大きく、K-POP や韓国ドラマをはじめとした「韓流」をアジア全域を始め、今やアメリカにまで浸透させつつあるからなんです。
そもそも国内需要が日本の半分以下なので、どうしても国外に目を向ける必要があり、日本の音楽や映画と比べるとはじめから世界を視野に置いて作られているということも大きいでしょう。
それに比べ日本は国内の売り上げだけで成り立ってきたため、日本人向けはもちろんのこと、いかに手軽に作ってそこそこの利益を出せるかという小さな世界で満足してきたんだと思います。
それは映画のみならずドラマや音楽なんかも同様で、世界で評価されているものも勿論ありますが、規模でいうとアニメや漫画でしか韓国に勝てていないのが現状です。
3、高い予算=面白い?
何百億も制作費をかけるハリウッド作品が全て面白いかと言えばそうではないように、予算をかければ面白い作品になるというものではないのですが、いかんせん日本映画は基本日本人向けに作られていて、はじめから世界のマーケットに出すつもりで作ってる作品は殆どありません。
なので、自然と予算も国内向けに限られますし、海外で賞を取る作品であっても世界で大ヒットするわけでもなく(アニメは別として)、そもそも日本国内でさえ映画賞をとったからといって飛び抜けてヒットする訳でもなく、大勢が見て面白いと感じる訳でもありません。
逆に、一部の例外的作品を除いては「賞を取る映画はヒットしない」イメージがあるぐらいなんです。
また、それらの殆どが一部の映画ファンが面白いと思うだけで、「面白くてヒットして賞も取る日本映画」なんてごく稀だと思います。
日本国内の映画賞を見ても、「日本アカデミー賞」はある程度の知名度と作品性があるものが順当に選ばれますし、昔からある「キネマ旬報ベスト・テン」は一般受けしにくい作品ばかりが取るイメージがあり、大ヒット作品が賞も取るイメージはあまりありません。
そもそも日本映画の大ヒット作は殆どがアニメですし。
そういう流れが長年続いたせいか「評価が高い=面白い」とはならず、一般の人にはなんら影響を及ぼしていない印象なんです。
それと比べ韓国映画は、「ヒットしている映画=面白い」と言い切れる位で、「面白くてヒットして賞も取る映画」が沢山あります!
人口は日本の半分以下なのに、観客動員数が1000万人を超す国内映画が2000年以降だけでも15作品以上あり(日本は4作品だけで、その内3作品はアニメ)、その殆どが評価も高い傑作ばかりです。
4、映画の作り方の違い
韓国映画は、何らかの社会的メッセージ性を入れるのが普通で、それでありながらちゃんとエンターテイメント作品として面白さや分かりやすさを入れているのが当たり前。
そのため歴史ドラマやサスペンス、ホラーであっても何百万人という観客を動員出来ているんです。
もちろん、ヒットしていなくても面白い作品もありますが、やはりそれらは一般向けとはいえず、大ヒット作よりも面白いかと言われればそうではありません。
一方、日本映画はそれぞれのジャンルファンに向けて撮っているものが多く、アニメ、特撮ファン、時代劇、サスペンス、ミステリー、ヤクザ、ヤンキー、コメディ、恋愛、漫画原作、小説原作、アイドル、テレビドラマの映画化、テレビ局による企画ものなど、多くの人が楽しめる作品は洋画かアニメのみといった印象があります。
勿論、それぞれに面白いものもあるのですが、一定の客層向けの作品ばかりなのでその規模も小さく、「大きくヒットしない=知名度がない=面白くても浸透しない」ということになるわけなんです。
そう考えると日本映画の面白い作品は残念ながら埋もれてしまっているものが多く、私が個人的に好きな日本映画もヒット作ではありません。
なぜ邦画は面白くない?まとめ
これまでの事をまとめると、
・近年の日本映画はアニメ以外でエンターテイメント性の高い作品が少ない
・賞を取る作品は地味で重い印象のものが多くヒットしないものばかり
・漫画や小説の映画化は一定の興収が見込めるだけでさほど面白くない
・面白い作品があってもヒットしていないと多くの人に知られていない
これらが合わさった結果
『日本映画はつまらない、面白くない』
というイメージが強いんだと思います!