韓国に伝わる伝統茶の一つ、ドゥングルレ茶。韓国では現代でも家庭や会社で一般的に飲まれているお茶です。
日本ではあまり聞き慣れないお茶ですが、今回はそのドゥングルレ茶の効能やおいしい飲み方、副作用、妊婦や子供が飲んでもいいか、についてご紹介します。
ドゥングルレ茶とは?
ドゥングルレとは、日本語でアマドコロ(甘野老)と呼ばれるユリ科の植物。
アマドコロ
日本でも一部の地域では春の山菜として食べられてきました。※果実は有毒
韓国では古くから、秋に最も肥大するドゥングルレの根っこを掘り起こして天日干しした後、風通しの良い乾燥した場所に保管し漢方薬剤として使用されてきました。
アマドコロの根
ドゥングルレ茶はその根っこを蒸して完全に乾かした後、火にかけて炒り、さらにお湯で煎じて飲むお茶です。
ドゥングルレは約5年という長い年月をかけて成長させてからようやく収穫できる貴重な食材だそう。
想像以上に時間と手間をかけて作られるお茶です。
ドゥングルレ茶の効能とおいしい飲み方
韓国では古くから多くの古典文献に書き記されているドゥングルレ茶の様々な効能。
私たちの生理機能を活性化する代表的な効能を見ていきましょう。
不眠症の改善
ドゥングルレに含まれるトリプトファンという成分には緊張を緩和する作用があるので、不眠症に効果的。
ストレスや神経過敏などで悩まされている人におすすめしたい効能です。
老化防止と美容効果
ドゥングルレ茶に含まれる抗酸化成分が、老化促進の原因となる活性酸素を体内で抑制する働きをします。
さらに、体内に蓄積した毒素を排出することで肌を改善。シミやそばかすなど皮膚疾患の予防にも効果的です。
血液循環の促進
ドゥングルレ茶は新陳代謝を活発にし、血液循環を促進する作用があります。
また、血糖と血圧を引き下げる作用がありインスリンの分泌を促進させるため、糖尿病患者に良い働きをします。
血糖調節の作用で糖尿の改善や予防にも効果的。
滋養強壮
韓国では古くから保養の漢方薬剤として使用されてきたドゥングルレ。
サポニンが豊富に含まれているので、気力回復や免疫力の向上に効果があります。
特に、気力が弱る慢性疲労に最適なお茶です。
ドゥングルレ茶の副作用と注意点は?
ドゥングルレは冷たい性質を持っているので、冷え性や消化機能の弱い人、下痢気味の人には適していません。
また、便秘薬と一緒にドゥングルレ茶を飲むとカルシウム欠乏症で中毒を引き起こすことがあるので注意が必要です。
ドゥングルレ茶の一番おいしい飲み方は、ティーバッグで蒸らして飲むこと。
まず、マグカップにティーバッグ一つを入れ、80~90℃のお湯を注ぎます。
お茶の成分がすぐに出てくるので、1~2分後が飲み頃。
冷たく飲みたい時は、約90℃のお湯を少し注いで5~8分程度置きます。
濃いめに作ったドゥングルレ茶に、氷を入れるとおいしく飲めます。
もしくは冷たいミネラルウォーターにティーバッグを入れて半日程度置けば、簡単にアイスドゥングルレ茶の完成です。
赤ちゃんや子供、妊娠中も大丈夫?
韓国では、保育園や幼稚園でも毎日のように子供に飲ませているドゥングルレ茶。
ドゥングルレ茶は日本の麦茶のように一般的な飲み物なので、赤ちゃんや子供が飲んでも構いません。
また、ドゥングルレ茶に含まれるカフェイン含有量は少量なので、妊娠中でも薄めで一日2~3杯は問題ないそう。
血液循環を促す効果で血液をきれいにするだけでなく、滋養強壮で疲労がたまりがちな妊婦にもドゥングルレ茶はおすすめ。
さらに羊水をきれいにする効果があり、韓国の妊婦たちの間で人気のようです。
※ただし、ドゥングルレ茶は冷たい性質を持っているので、過度な摂取は控えた方がいいでしょ[/ふきだし]
最後に
香ばしい味わいで飲みやすいドゥングルレ茶は、数々の効能を持つまさに万能茶です。
副作用に注意すれば、子供から大人まで幅広い世代におすすめ。ぜひ毎日の食卓にも取り入れたいお茶です。
飲みやすい味なので、おみやげにもぴったりですよ!