独特なスイングが特徴のチェホソン選手は、韓国出身で遅咲きのゴルファー。
プロゴルファーになるまでの生活は非常に厳しいものでした。
そこで今回は、チェホソン選手のプロフィールや個性的なスイング、結婚や家族などについてご紹介します。
(トップ画像https://sports.news.naver.comより)
チェホソンのプロフィールと来歴
최호성 チェ・ホソン
生年月日 1973年9月23日
出身地 慶尚北道浦項市
身長 172cm
体重 76kg
所属 フリー
生い立ち
韓国南東部の港町・浦項市で海とともに育ったチェホソン選手。
当時貧しかったという実家は農業と水産業を営み、母親は海女さんとして収入を得ていたそう。
長男のチェホソン選手も生計を立てるため、幼い頃から船乗りをしていました。
水産高校卒業前に行われた現場実習で、マグロの解体中に右手親指の一部を切り落としてしまうという事故が発生。
その後地元の水産加工会社に就職しましたが、韓国で義務付けられている軍服務も親指の障がいが原因で入隊することができず将来への絶望感に打ちひしがれました。
ゴルフとの出会い
その後2年半の間、全国で職を転々としたチェホソン選手は、25歳の時に住み込みで働けるゴルフ場でアルバイトを開始。
「スタッフもゴルフを熟知するべきだ」というゴルフ場の方針により練習を始めたことがきっかけで、本格的にプロゴルファーを目指すようになりました。
当時ゴルフの技術に関して全くの無知だったチェホソン選手でしたが、レッスンを受けることなくコーチや指導者のいないまま独学で猛特訓。
のちにチェホソン選手はこの時のことを「雑草のように暮らしてきたそれまでの生活を変えるために死ぬ覚悟で努力した」と振り返っています。
ゴルフ雑誌や独自の理論に基づき研究してあみ出したプレースタイルで、なんとわずか2年後の1999年4月には韓国のセミプロテストに合格。
さらにその2年後、2001年にプロテスト合格。必死の努力が実った瞬間でした。
KPGAでの優勝
チェホソン選手はプロテストに合格したその年、二部ツアーで二度の優勝を果たし賞金王に輝きました。
2004年KPGA(韓国プロゴルフ協会)ツアーにデビューしたチェホソン選手は、2008年KPGA NANAツアーチャンピオンシップでついに初優勝。
さらに2011年5月に開催されたKPGAツアー レイクヒルズオープンでは二勝目を飾り、ゴルフ人生の最盛期を迎えました。
2011、2012年のゴルフ日韓対抗戦KBミリオンヤードカップでは韓国代表として出場。
韓国の大会連覇に大きく貢献しました。
JGTOへ
2012年に活躍の場をJGTO(日本プロゴルフツアー)へ移したチェホソン選手。
翌2013年、ワンアジアツアーと日本ゴルフツアー機構が共同開催したインドネシアPGA選手権では見事優勝を飾り、国際大会では初めてとなる頂点に立ちました。
残念ながらそれ以降5年間は優勝を飾ることができませんでしたが、翌年のトーナメントに出場できるシード権は獲得し続けたチェホソン選手。
2018年11月に開催されたカシオワールドオープンでは、15アンダーという成績でなんと5年ぶりの優勝。日本通算二勝目を飾りました。
チェホソン選手の個性的なスイング
チェホソン選手といえば、ユニークなスイングが有名です。
このスイングが話題になったのは、2017年6月に開かれたKPGA KOLON韓国オープン。
アジアツアーと共同主催であったこの大会は世界各国が中継を行い、チェホソン選手の独特なスイングは瞬く間に世界中のゴルフファンから注目を集めることになりました。
ゴルフボールを打った後のクラブを握っている姿がまるで釣り人に似ていることから、「フィッシャーマンズ・スウィング」と名付けられたこのスイング。
子どもの頃、水産加工に携わっていたことが関係しているとも言われています。
プロデビュー前から独学でゴルフを研究することに慣れているチェホソン選手は、年齢のせいで柔軟性が落ちドライバーの飛距離を伸ばすためにこのスイングを開発したそう。
まさにこのスイングは、他の選手にはできないチェホソン選手だけの特別な努力の結晶なのです。
チェホソン選手の結婚と家族
チェホソン選手は、韓国ツアーにデビューした翌年の2005年にマレーシアで現在の奥様と出会い結婚。
当時の生活は、言葉では表せないほど貧しく苦しかったそう。
韓国ゴルフタイムズによるインタビューでは、
「大黒柱としての責任の重さも相当なものだったが、何より物がなくて生活を満たせない状況だった。妻の内助の功が大きな力になった」
と振り返っています。
現在チェホソン選手には、愛する小学生の年子の息子が2人。
「自分が経験してきたゴルフの厳しさを知っている分、息子には自分で将来の方向性を決めてほしい。もちろんゴルフに興味を示したら全力でサポートしたい」と語っています。
最後に
想像を絶するほどの厳しい生活環境と長い無名時代を乗り越えたチェホソン選手。
これまでの経験から培った精神力の強さが、プレーの糧となっているようです。
「優勝も重要だが、怪我に悩まされることなく長くプレーできる現役選手でいたい」
と話すように、これからもチェホソン選手の活躍が見られることを期待したいですね。