日本から地理的に近く、海外旅行先として人気の高い韓国ソウル。
日本人の観光客や在住者も多いことから治安が良いのではと思われがちですが、注意が必要な場面もたくさんあります。
そこで今回は、韓国ソウルの現在の治安と多発している犯罪、旅行中の注意点などについてご紹介します。
※ソウルの治安限定の記事です。地方はまた事情が違うのでご注意!
現在の韓国ソウルの治安
韓国ソウルは人口約1,000万人の大都市ですが、テロや殺人強盗などの凶悪事件はほとんどなく治安は比較的良好と言えます。
ただし外務省の海外安全ホームページによると、韓国の年間犯罪発生件数は約185万件で横ばいに推移。
日本と比較すると殺人事件が約2.5倍、強盗が約1.2倍多く発生しています。
過度に心配する必要はありませんが、「韓国は外国だ」という意識を持っておいた方がいいでしょう。
スリ・置き引き
日本人は旅行中、韓国は安全だと油断しがち。
ファスナーが開いたままのバッグから貴重品を盗られたり、気づくとポケットから財布がなくなっていたりすることも。
学校内の食堂や図書館、カフェなども安心できません。
イスにバッグを置いたまま席を離れたわずか数分の間に、財布の中からお札だけ抜き取られて滞在費用をすべて失ってしまったという事例も実際にあります。
たとえわずかな時間でも貴重品は肌身離さず持ち歩くこと、そしてバッグは体の前に持つことなど意識的に対策することが必要です。
ぼったくり・強引な押し売り
韓国は残念ながらぼったくりが多い国。
特に日本人観光客は安くて便利なタクシーをよく利用します。
韓国のタクシーはわざとメーターを回さず不当な運賃を請求したり、目的地まで遠回りしたりすることも。
タクシーに乗るときには最初にメーターが動いているかを確認し、移動中はGoogleマップなどを使い目的地まで適切なルートで移動しているかチェックしましょう。
Uberやカカオタクシーなどの配車アプリを利用すれば、運賃の目安もあらかじめ表示されるので安心。
また、市場や露店では強引に物を高く売りつけることがあります。
気に入った商品があっても即決するのではなく、複数の店を回って相場を把握してから買うようにすることでリスク回避ができます。
もし何かおかしいと思ったら、韓国では強い姿勢で抗議する勇気も必要です。
性犯罪
韓国で特に目立つのが性犯罪。
在韓日本大使館によると強姦の発生件数は日本に比べて約13倍、強制わいせつは約6.4倍にも上ります。
特にお酒文化が根強い韓国では、ただ道を歩いているだけでも突然酔っ払いに絡まれたり強引に誘われたりすることも。
特に韓国人の間では「日本人女性は優しく、誘いを断り切れない」という認識があるので、少しでも隙を見せると大きな事件に巻き込まれる恐れがあります。
知らない人に不必要な笑顔を見せたり、立ち止まって相手の話をまともに聞いたりする必要はありません。
夜遅くまで一人で外出しないことや酔いつぶれないことはもちろんのこと、リスクにさらされないよう周囲をしっかり見回し、酔っ払いや後をつけてくる危険人物がいないか必要以上に注意することが重要。
防犯ブザーを持ち歩くこともおすすめです。
反日運動
近年日韓関係が非常に悪化しており、互いに悪い感情を抱いている人も少なくありません。
日本で報道されるニュースで不安に感じる人もいるかもしれませんが、滞在期間が限られた韓国旅行で韓国人の反日感情を目の当たりにすることはあまりないでしょう。
ただし、毎年3月1日の三一節(独立運動が起きた日)や8月15日の光復節(植民地支配から解放された日)、サッカーや野球の日韓代表戦がある日などは反日感情が高まることが。
ソウルの市内各地では、デモ行進をしたり日本を非難する集会が開かれたりすることも。
このような場所に興味本位で近寄ったり、あえて歴史問題に関する発言をしたりすることは避けましょう。
交通事故
韓国のガイドブックには交通ルールに関する注意書きがあるほど、韓国は交通マナーが良くありません。
例えば歩道をオートバイが猛スピードで駆け抜けたり、歩行者が横断歩道を渡っているにも関わらず横から車が飛び出してきたりすることは日常的によく見られる光景です。
特に夜間は、信号無視する車や飲酒運転も絶えません。
予期しない交通事故に巻き込まれないためには、自分で自分の身を守りましょう。
まずは「車より歩行者が優先」という考え方を捨て、道路を渡るときは信号の色に関わらず常に左右をチェックしましょう。
旅行中は手元にスマートフォンを持ち歩くことが多いと思いますが、たとえ歩道であっても油断は禁物。
駐車場や細い道から急に車が飛び出すこともあるので、周囲をしっかり見ながら歩きましょう。
強引な宗教の勧誘
韓国ソウルでは宗教に関する犯罪も頻発。
例えば駅や道端など人が多く集まる場所で、見知らぬ人が宗教の勧誘をしてきます。
日本人だと分かると「韓国人との交流会がある」などと言葉巧みに誘い出し金銭を要求したり、宗教に加入するまで強引に離さなかったりする事例も実際にあります。
新興宗教の種類は数え切れず、宗教がらみの暴力や監禁などの事件も多い韓国。
知らない人の話は無視することが一番です。
韓国ソウルで治安の悪い場所
韓国ソウルには昔から治安の悪いことで有名なエリアがいくつかあります。
特に夜間は近寄らないようにしましょう。
これ以外の場所でも繁華街や飲み屋街、若者が集まるクラブなどでは特に注意しなければなりません。
観光客に人気の繁華街
韓国ソウルの南大門や東大門、明洞は必ずと言っていいほど観光客が立ち寄る人気エリア。
その分犯罪も起きやすく、特にスリやぼったくりなどが多発しています。
梨泰院(イテウォン)
米軍基地や各国の大使館などが集中していることから、いろいろな国籍の人が行き交うことで有名な梨泰院。
韓国ソウルにありながら異国情緒あふれる街で、世界中のグルメが味わえます。
やはり多くの人が集まる分、特に夜間は外国人(韓国人含め)から目をつけられやすい場所です。
ソウル駅の地下連絡道
昔からホームレスが多く集まる場所として有名なソウル駅周辺。
現在でも地下連絡道には、多くのホームレスが段ボールを連ねて寝泊まりしています。
やむを得ず夜遅くソウル駅を利用する人もいるかもしれませんが、できるだけ人が多く通る道や地上を歩くようにしましょう。
タプコル公園
観光客に人気の仁寺洞近くにあるタプコル公園には、日中でも老人が集まり飲酒したり将棋をしたりしています。
昔から治安が良くない場所として知られているので、韓国でも若い人はあまり近寄りません。
さらにここは日本の植民地支配に抗議した三・一独立運動の発祥地。
特別な用事がない限り避けた方がいい場所です。
犯罪に巻き込まれないために
特に最近は韓国リピーターや一人旅も多く、慣れているからこそ油断してしまうことも。
思わぬ犯罪に巻き込まれてせっかくの旅行が台無しにならないためにも、自分の身をしっかり守るという意識を持つことが何より重要です。
日常に潜む犯罪はもちろん朝鮮半島の情勢やテロなど大きなリスクが心配されるときには、外務省の海外安全ホームページを確認しましょう。
韓国の危険レベルや治安情報などの最新情報をチェックできます。
また、いざというときのために韓国にある日本大使館や総領事館、航空会社やクレジットカード会社の連絡先をメモしておくこともおすすめ。
旅行エージェントを通じて韓国旅行へ行く場合は、日本語対応の緊急連絡先を事前に控えておけば迅速にサポートを受けられることも。
万が一盗難の被害に遭ったときは、現地の警察へ被害届を出すことも忘れないようにしましょう。
最後に
治安はおおむね悪くない韓国ソウルですが、日本人観光客が犯罪に巻き込まれる事例も決して少なくありません。
事前に対策をしっかり行い、万が一このような場面に遭遇したら毅然とした態度で対応しましょう。
これから韓国旅行を計画中の人はぜひ参考にしてくださいね。