
『君の名は。』の新海誠監督による5作目の劇場用アニメーション映画。雨のシーンが印象的な恋の物語です。
海外の映画祭でも賞を獲得した傑作!
あらすじや感想、評価などをまとめました!
基本情報
U-NEXT 46分 見放題
興行収入 約1億5000万円
公開年度2013年5月から日本で公開
監督、脚本、原作:新海誠
声優
【秋月孝雄(タカオ)役】入野自由
【雪野百香里(ユキノ)役】花澤香菜
【タカオの母役】平野文
【タカオの兄役】前田剛
【タカオの兄の彼女役】寺崎裕香
【松本役】井上優
【佐藤役】潘めぐみ
【相沢役】小松未可子
【伊藤宗一郎(体育教諭)役】星野貴紀
新海誠の初めての「恋」の物語と銘打たれ、作中に万葉集を引用しています。
本作の次の作品が『君の名は。』になります。
本作は当初劇場で公開する予定はなく、配信やDVDのみの小規模なものでしたが、最終的には劇場公開することになりました。
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あらすじ
靴職人を目指す高校生のタカオと、昼間からビールを飲んでいるユキノが、雨の日の公園で出会い、梅雨の間じゅう雨が降る度にその場所で何となく会うようになる。
タカオは学校が終わると夜遅くまでアルバイトに精を出し、靴職人になることに全てをかけていて、他の高校生とは比べ物にならないくらい大人びていました。
そんなタカオと会うことがユキノの楽しみとなり、味覚障害を患っていたはずのユキノも、タカオの作った弁当には味を感じるようになるのでした。
ユキノはタカオの為に靴作りの本をプレゼントし、タカオはユキノに靴を作ってプレゼントすると約束しました。
その後、梅雨が明けると二人は逢わなくなるのですが、ある日学校でタカオはユキノとすれ違い、ユキノが古文の教師であったこと、生徒からの嫌がらせで退職することを知るのです。
そして、タカオはユキノを退職に追い込ませた首謀者に会いに行き・・・。
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みどころ
シーンの約8割が雨のシーンで、タカオ、ユキノに続いて「雨」は三人目のキャラクターというほどに重要な役割を担っています。
この映画は46分という短い物語なんですが、監督が初めて「恋」をテーマに描いたアニメーションで、短い中にも濃密な物語が詰まっています。
お互いについて多くは語らず、名前も職業も知らなくても、その雰囲気や温もりが相手を包むような切ない恋の物語なんです。
約束したわけではないのに、雨が降る午前は公園で会うということが恒例となっていて、それをお互いにわかっていることこそが想い合っていることなんだと感じました。
雨のシーンは絵画のようでもありますが、雨の振り方によって登場人物の感情を表しているようでもあり、背景描写で物語を展開させているとも言えるんじゃないでしょうか。
万葉集などの文学的表現や、BGMや挿入歌から伝わる音楽的表現、そして写実的な美しい景色から伝わる 映像表現に、雨や靴などのメタファーなど、登場人物の直接的なセリフより他の表現方法で感情を表した作品だと思いました。
ラストの嵐のように感情を爆発させる展開や、それと共に流れる秦基博「Rain」は見るものの感情を揺さぶること間違いなしです。
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感想と評価・評判
「秒速5センチメートル」が過ぎてしまったもう取り戻せない過去を引きずる話だとするなら、本作は始まった恋のこれからを匂わす物語。
映画だけを見ると登場人物の年齢などは推測するしかないのですが、かなり歳の差があることは間違いなく、しかしその辺の細かいことはあまり重要じゃないと思いました。
同年代の高校生よりあからさまに大人なタカオと、先生ではあっても人間関係に悩み病気になってしまったユキノ。
ユキノの為に靴を作ることで、自らの夢に更に邁進するタカオと、タカオの真っ直ぐな姿を見ることでユキノも前に進む勇気を貰う。
ただの好きだ、嫌いだの恋愛ドラマではない、二人が出会ったことでお互いを成長させるドラマなんだと思いました。
秒速5センチメートルと比較すると?
「秒速5センチメートル」は面白いですが男が見ると辛くなる物語なのに対して、本作は明るい気分で終われる作品のため何度も何度も見たくなるものとなっています。
間違いなく大傑作です!!
最後に
新海誠作品の中で一番見た作品が本作です。
物語が短いこともありますが、シンプルな展開の中に色んな物が詰まっていて、最後は明るい気持ちになれる。
だから、何度でも見たい気持ちになるのがこの映画なんです。
「秒速5センチメートル」も勿論傑作ですが
、やはり男の物語という感じが強いため、広くお薦めしたいのは本作となります。
ジブリの傑作「耳をすませば」や「おもひでぽろぽろ」とも並ぶ傑作であると個人的には思っています。
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